ケーススタディー
デジタル終活完全ガイド 死後のデジタルデータはどうなる?
あなたは今、
使っているパソコンやスマートフォンを遺(のこ)して、
突然死んだらどうしますか。
誰にでも起こり得る「突然の死」。デジタル終活をしてその時に備えませんか?
今回は最近話題になっているデジタル終活について考えてみましょう。
デジタル終活の発想すらもないまま、30~50代の若さで突然亡くなった人々の周囲では、予期せぬトラブルが発生しているケースがあります。
そのトラブルの原因は正反対の2タイプに分類されます。
「データが残っていたために起きるトラブル」と「データが残されてないために起きるトラブル」。
今では誰もが人には見られたくない何かをパソコンやスマホの中に保存してあると思います。
その「何か」が、被害を及ぼすケースが少なくないのです。
また、ネット証券やFX取引など放置したままでも取引が行われている証券は、その存在とIDやパスワードを残していなければトラブルになるケースがあります。
自身の死後に家族や知り合いに迷惑をかけないように、即刻デジタル機器の「消す」対策と「残す」対策を見直すことをお勧めします。
人に見られたくないデータはどこに置くべきなのか?
故人のパソコンやスマートフォンをご遺族がパスワードを解除した場合、まず何をチェックされるのでしょうか?
やはりチェックされる可能性が高いのはパソコン、ケータイを問わずメール関係の内容です。
デジタルスキルが余り無い年齢層でも、通話履歴やメール履歴をたどるアイデアはほぼ確実に浮かんできます。
知られたくない人間関係があるなら、履歴を徹底的に削除するようにしなければなりません。
それが出来ないなら、見られる覚悟はしとかなければなりません。
ただしブラウザ上でSNS経由のやりとりをするくらいなら、見られる可能性はかなり低くなります。
ブラウザ上の履歴をチェックするのは自分たちで確認する人は少なく、デジタル遺品業者に頼んだご遺族の方が多いようです。
気をつけたいのは「仕事」「ピクチャ」など、わかりやすい名前が付いたフォルダです。
ある男性向けのアンケートでは、「見られたら困るデータは、フェイクの名前が付いたフォルダに入れている」と答えた人が21%もいましたが、名前の付け方によっては大いに逆効果となる場合があるみたいです。
フォルダにパスワードをかけたり、非表示設定にしたといった念入りな工夫は有効です。
見られる確率が高いと思われる「デスクトップ」の中でも、「ゴミ箱」だけが例外的にみられる確率がかなり低いようです。
やはり、「要らない」と思って捨てたデータはあまり興味がないのかもしれませんね。
デジタル終活で見られたくないデータは、携帯電話やスマートフォン、パソコン等の重要なメールやデータは「ダウンロード」フォルダに入れるのが分かりにくくなるかと思います。
雑多な種類のファイルが入っているので、すみずみまでチェックするのは至難の業となってきます。
まさに「木を森に隠す」感覚ですね。
なお、システム系のフォルダにファイルを入れるのは、思わぬ不具合を起こす可能性があるので、お勧めはしていません。
また、ここ最近では「オンラインストレージ」にデータや重要ファイルを保存する人も増えているかと思います。
デジタル終活では、オンラインストレージに保存することはオススメしていません。
なぜかというと、どんな形で情報が流出するかわからないのがネットの怖いところなのです。
必ず情報が漏れない、とは言い切れません。
思わぬ形で保存したデータが全世界に流出するという可能性があるのです。
ネットバンクやネット証券の扱い方
一番検索してほしいと依頼があるのがやはり「ネットバンク」「ネット証券」です。
どんな些細なヤフオク用の少額口座なども、妻や子供に伝えるようにするか、アナログ記帳で分かるように口座情報を遺(のこ)していた方が良いかと思います。
「お金」に関する様々なデジタル終活について、詳しくはこちらをご覧ください。
これからのSNS時代に「カッコ悪くない死に方」を考える
Facebook、ミクシー、ライン、インスタグラムへの何げない投稿で、一般人のアカウントが炎上などというニュースも耳慣れた昨今です。
そういったリスクは本人の死後にも潜んでいるのです。
実生活では疎遠だが、SNSだけで繋がっているという、そんな人間関係が増えた昨今では、故人の死が伝わらないままSNSに書き込みが続けられることも珍しくないのです。
亡くなられた故人のfacebookのアカウントがそのままになっていたのですが、誕生日を迎え「誕生日おめでとう」の書き込みをしている人がいるくらいです。
こうした事例は、地味に残された家族を傷つけてしまうのです。
デジタル遺品整理では、亡くなった人のSNSアカウントは、家族が状況を把握したうえで、
設定を調整したり、訃報を伝えたうえで削除することをお勧めしています。
そのためには、SNSのIDとパスワードを、家族が知ることができるようにしておくことが大事だと思います。
IDとパスワードのわからないアカウントを遺族が遺族として処理するためには、確認作業などに膨大な手間が必要です。
一方で、IDとパスワードさえわかっていれば、ご遺族やデジタル遺品整理業者が本人になりすまして処理ができるのです。
厳密にはルール違反ですが、このような事態ですのでまず黙認されます。
我々のようなデジタル遺品整理の業者は様々なブログやツイッターなどを見てきました。
本人がこの世にいないのに、「今日は0km走った」といった自動投稿が、延々ポストされているツイッターなどは、見ていて本当に辛い気持ちになります。
このような辛さを家族に味わってもらわないように、是非とも「デジタル終活」をお勧めしたいと思います。
SNSの「デジタル終活」
ツイッターやフェイスブックなどは自動更新アプリの使用はなるべく避けた方が良いかと思います。
遺族がタイムラインを編集するための機能もあるのですが、本人になりすまして処理をするという方が主流ですので、
IDとパスワードを残しておくのが一番いいかと思います。
ブログなどはもし、アカウントをしばらく残す場合は、コメントの書き込みは画像認証が必要な設定にしておくことをお勧めします。
スパムメールによって荒らされるのを、ある程度防ぐことができるからです。
「SNS」に関する様々なデジタル終活について、詳しくはこちらをご覧ください。
デジタル生前整理の「Twitter & Instagram」編
「ネット上の資産」を見逃さない
とあるアンケートで「デジタル絡みの死後トラブル」というアンケートがありました。
その102件の内もっとも多かったのが、
「故人が管理していたネット銀行口座やネット証券口座の詳細がわからなくなった」
というものでした(28件)。
夫の遺品にネット証券口座を開設したときの書類が見つかったので、さっそく資産を確認しようとアクセスしたら、
パスワードが変更されていてログインできなかったなどというお客様からの問い合わせもあります。
ネット銀行の場合、死亡届が提出された時点で口座が凍結されるのですが、証券口座はその限りではないので、
IDとパスワードさえわかれば、本人の代わりに取引を続けることも現実的には可能なのです。
ところが、IDとパスワードがわからないばかりに「相続」という形を取ろうとすると、
手続きに1か月以上の日にちが掛かるのです。
もちろん相続の手続きは直ぐにでも行わなくてはならないが、今すぐ現金化したい資産などがあった場合、
この時間はもったいないと思います。
また、口座の存在自体を遺族が知らない場合は、もちろんそのまま放置となってしまいます。
定期的に送られてくるはがきなどでいつかは気がつくご遺族もいますが、
最近のネットバンクはダイレクトメールを送って来る事は少なく、
登録メールアドレスへの送信がほとんどです。紙媒体をなるべくなくして経費を浮かせ、
手数料を安くしているネットバンクにはよくあることです。
そのためにも、ネットバンク等のメールは、パソコンやスマートフォンのメールボックスに保存しておくと発見されやすくなります。
ネットバンク等もSNS同様、ネット系マネーサービスについても、IDとパスワードをリスト化してアナログ記帳し、
何かあった時は発見できる場所に保管又は、家族に託せるようにしておいた方が良いかと思います。
デジタル終活では各口座のIDとパスワードをエクセルにまとめてプリントアウトし、
預金通帳に挟んで金庫に保管することをお勧めしています。
特に家族に伝える必要はなく、万が一のことがあっても、
すぐ見つけてくれる可能性が一番高い金庫は安全で伝わりやすいからです。
◆最低限やっておきたいデジタル終活、デジタル整理リスト
1、もし、死んだら連絡してほしい人について、普段から家族やパートナーに伝えておく、又は金庫にリストとして保管する。
2、パソコン上の見られたくないデータは、デスクトップ以外の場所に、英文名のフォルダで保管する、又は「僕が死んだら…」、「遺影バンク」等のツールを使用する。
3、ネット系マネーサービスのIDとパスワードをアナログ記帳してリスト化し、預金通帳と一緒に金庫保管する。
4、グーグルの「アカウント無効化管理ツール」を設定する。
5、生前デジタル遺品整理を検討する。
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