ケーススタディー
デジタル生前整理のデータ編|Microsoftは1年間アクセスがなければ自動停止される?
マイクロソフト アカウントに紐づくオンラインサービスについて
Windows10ユーザーにとって必須のMicrosoftアカウントは、WindowsやSkype(スカイプ)など各種サービスのログイン時に使用するほか、メールやカレンダーなどの情報に紐づいて一元管理されています。
Microsoftでは基本的に遺族へのアカウントの開示は認めておらず、サービスごとでアカウントの停止や開示の条件などが異なります。
長期間の利用がなければ自動的にアカウントが停止されますが、Microsoftアカウントは5年、Outlook.com(アウトルックドットコム)とOneDrive(ワンドライブ)の利用はそれぞれ1年のタイムアウト期間が設けられています。
Outlook.comについては、家族が亡くなった時や病気で動けなくなった際に、メールの内容やアドレス帳などをユーザーの親族に開示したり、アカウントを停止させたりする「親族プロセス」が提供されております。
ただし、アカウントの所有権が譲られるわけではありませんので、本人の代わりにメールに返信して訃報や入院を知らせるといったことはできません。
親族プロセスの申請には、ユーザーの死亡のほか、体が不自由になっていることを証明する書類、血縁関係の証明書などをすべて英文で提出する必要がございます。
審査が通れば、メールや添付ファイル、アドレス帳などを収録したデータDVDを送付してもらうことができます。
OneDriveに保存されたデータは、家族が取り出すことはできません。
アプリを使うとパソコンのローカルドライブと同期できるので、家族に残したいデータは、定期的にダウンロードして別のメディアにバックアップしておくのが確実です。
またOffice 365など個別の製品やサービスは、それぞれの窓口に問い合わせる必要がございます。
Windows10の標準アプリの多くはMicrosoftアカウントで管理されています。
WindowsやOffice、メール、オンラインストレージ、チャット、ゲーム、アプリ購入など、ひとつのMicrosoftアカウントであらゆるサービスが利用できますが、5年間に1度もMicrosoftアカウントにサインインしなかった場合、アカウントは自動的に停止されます。
OneDriveとOutlook.comはそれぞれに1年間で1回以上のサインインが必要です。
Outlook.comに残されたコンテンツはDVDで送付してもらうことも可能です。
しかし、申請には死亡診断書のコピーや申請者の証明書などの提出が必要になります。
なお、問い合わせから3営業日以内に返信はございます。
また、Microsoftアカウントは、Windows10のサインインのほか、様々なオンラインサービスの利用などにも使われるため、Microsoftアカウントに関連付けられた代金の残りやギフトカード、サブスクリプションが残っている場合がございます。
金銭に関わるものは相続の対象になるので、窓口へ問い合わせれば返金してもらえる可能性があります。
Microsoftアカウントで子供のアカウントを管理している場合には、別の保護者のアカウントから許可が出るまでは、Xbox 360やパソコンが利用できなくなります。
◎OneDrive・・・
15GBまで無料のクラウドストレージ。
パソコンのドキュメントファイルと同期させておくと、どこからでもアクセスすることができ、バックアップにもなるので便利です。
月150円の有料版は50GBにアップグレード可能です。
Office 365 soloを購入すると容量は1TBに増量します。
◎Outlook・・・
Microsoftの無料のメールサービスです。
複数のメールアカウンを登録し、WebブラウザーやiOS/Android版アプリで、メールや連絡先、カレンダーなどを管理できます。
Outlook.comのメールら連絡先などのデータは、親族プロセスの対象となります。
◎カレンダー・・・
Microsoftアカウントが削除されると、カレンダーのデータも消えます。
カレンダーをほかのユーザーと共有している場合は、相手のカレンダーからも予定が消えてしまう可能性があります。
必要なスケジュールはエクスポートしておいたほうがいいでしょう。
◎Skype(スカイプ)・・・
Microsoftアカウントと従来のSkypeアカウントのどちらでも利用できます。
Skypeアカウントを利用している場合、Microsoftアカウントの停止後も、Skypeアカウントは残ったままになりますので要注意です。
不正利用を防ぐためSkypeアカウントの停止も忘れないようにしなくてはいけません。
◆Microsoftのポイント◆
① Outlookは親族プロセスでメールなどを受け取れます。
② 必要書類はすべて英語で提出しなければなりません。
③ OneDriveやOfficeオンラインは親族プロセスの対象外です。
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