情報収集、メール、エンターテインメント・・・
なくてはならないインターネットの玄関のプロバイダー。
回線契約者が亡くなってしまったら引き継げるのでしょうか?
プロバイダー契約は、法定相続人であればほとんどの場合が承継可能です。
今でこそ、インターネットをスマートフォンで楽しむ人も多いですが、まだまだ情報インフラとして大きな役割を持つ固定回線。
スマートフォンと違い、一度契約すると見直す機会が少なく、再設定は契約した本人ですら面倒なものです。
もし契約者が死亡してしまい、遺族の中にITに詳しい人がいないなら、契約と設定を見直すというのは相当な負担になるでしょう。
果たして、インターネット接続に必要なプロバイダー契約は相続できるのでしょうか?
多くのプロバイダー事業者では契約者の死亡時に限り「承継」という手続きをとることで名義変更できることになっています。
この場合の「承継」とはいわゆる「相続」のことであるため、申し出ることができるのは法定相続人である配偶者、子、孫、両親、兄弟、または二親等内と各社ごとに異なります。
また、オプションサービスや会員アカウントと紐づいたサービスの中には引き継げないものもございますので、よく確認しましょう。
中には契約そのものを相続できないプロバイダー事業者もございます。
もし見分けるとするならば、利用規約内の「一身専属」という文言の有無です。
これは、特定の人に属する使用権や地位などがほかの人に移ることがないということで、「契約が一身専属的」であれば名義変更は難しいでしょう。
もし、プロバイダーを変更しようと考えているのであれば、これらの要素も考慮して選んだほうがいいのかもしれませんね。
◆各プロバイダー事業者のサービスについて◆
◎Yahoo!BB・・・
一切の譲渡を認めないYahoo!JAPAN IDと紐づいているため、回線契約の承継もできません。
解約手続きは契約者の「代理人」として行います。
死亡届など必要書類を用意したうえでオンライン手続きのみで完結いたします。
◎@nifty・・・
「一身専属性」をうたう@nifty IDと紐づいた契約のため、そのまま使い続けることはできません。
ただし、同一住所内であれば、手数料を払うことで別のIDに付け替えて回線を移行することは可能です。
◎BIGLOBE・・・
契約者による生前の意思申告が優先されますが、二親等以内の法定相続人であれば承継は可能です。
ID、メールアドレス、その他のBIGLOBEサービスを承継できますが、モバイルやクラウドバックアップといった一部サービスは承継することはできません。
◎So-net・・・
ユーザーID、接続ID、メールアドレス、パスワードなどを含んだ契約そのものを承継することができます。
ただし、インターネット回線の移行には、承継後、契約者情報の変更など別途手続きを行う必要がありますので、注意が必要です。
◎OCN・・・
承継可能です。
死亡診断書や除籍謄本など、故人となった契約者の死亡が確認できる書類(コピー可)を添えて、「承継・改称届」とともに郵送、あるいはFAXして手続きをします。
承継・改称届はダウンロードして自分で印刷するか、郵送してもらいます。
◎DTI・・・
IDとパスワードを含む会員の地位を承継できます。
承継希望者は、正当な相続人であることを証明する書類を添えて、事業者が指定する手続き方法に従い届でます。
解約したい場合は25日までに手続きを行えば、その月の末日で退会が可能となります。
◎hi-ho・・・
相続開始の日から2週間以内に申し出れば、二等親以内の法定相続人が承継することができます。
除籍謄本や除籍情報がある住民票など契約者の死亡が確認できる書類、承継者との続柄が確認できる公的書類、承継者の本人確認書類を所定の用紙に添えて提出します。
◎plala・・・
民法上の法定相続人であれば承継することができます。
手続きはダウンロードして印刷した「インターネットサービス承継届」に契約者の死亡を確認できる、戸籍謄本などの公的書類(コピー可)を添えて郵送して行えます。
◆プロバイダーのポイント◆
① Yahoo!BBや@niftyでは、現在のところ「解約」以外の道はございません。
② 大手プロバイダーの大半では承継が可能です。
③ ただし、サービスの一部が承継できないこともあるので注意が必要です。
④ ほとんどのプロバイダーサービスは承継が解約かを選択できます。遺書(生前意思表示)があれば、その内容が優先されます。